血便とは?
「血便」とは、便に鮮やかな赤い血液が混じる状態を指します。主に大腸や小腸からの出血が疑われますが、原因はさまざまです。
血便は軽い症状から重篤な疾患まで幅広い病気のサインである可能性があります。
主な症状
血便に伴う主な症状は次の通りです
- お腹がシクシクする。
- 便に赤い血液が付いている。
- 排便後にトイレットペーパーで拭いたら赤い血液が付着した。
- 便器に赤い血液が着いていた。
血便で疑われる病気
痔核(じかく)
肛門に「いぼ」状の腫れができる病気です。トイレットペーパーに血がつく、便器の水が真っ赤になるなどの症状が見られます。血便の原因として最も一般的です。
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感染性腸炎
食べ物から細菌やウイルスが感染し、腸に炎症を引き起こす病気です。発熱、腹痛、下痢が主な症状で、腸管出血性大腸菌やカンピロバクターによる腸炎では血便が生じることがあります。
虚血性腸炎
大腸への血流が悪くなることで、特に下行結腸とS状結腸にびらんや潰瘍ができ、出血します。腹痛、下痢、下血の三つが代表的な症状です。重症の場合は救急車で搬送されることもあります。
大腸憩室出血
大腸にできたくぼみ(憩室)から出血することがあります。腹痛がなく、急に大量の血便が出ることが多いです。大部分は自然に止血しますが、緊急の内視鏡検査が必要な場合もあります。
直腸潰瘍
特に高齢で寝たきりの方に多く見られます。腹痛は基本的にありませんが、突然大量の血便が出ることがあります。
大腸がん
がんが進行すると、正常な粘膜が崩れて出血することがあります。がんのサイズが大きいほど出血のリスクが高まります。
大腸ポリープ
大きくなると出血の原因になる場合があります。内視鏡で切除することが可能な大きさ・形の場合は外来で内視鏡検査中に切除可能です。
潰瘍性大腸炎
免疫系の異常により、自身の免疫力が大腸を攻撃して炎症を引き起こす疾患です。腹痛、下痢、血便が主な症状で、若い方に多く発症します。
原因割合
- 憩室出血 :30-65%
- 虚血性腸疾患 :5‐20%
- 痔核 :5-20%
- 大腸ポリープor 大腸がん :2-15%
- 炎症性腸疾患 :3-5%
- 感染性腸炎 :2-5%