睡眠時無呼吸症候群とは？
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も停止したり浅くなったりする状態を指します。一般的には10秒以上呼吸が止まる状態が繰り返され、1時間に5回以上の無呼吸や低呼吸が確認されると診断されます。
日本国内における潜在患者数は300万人以上になると推測されています。働き盛り世代の肥満男性に多く、生活習慣病とのかかわりも無視できません。高血圧をはじめ高脂血症や糖尿病などを合併し、さらに虚血性心疾患、脳血管障害を併発する可能性が高いことがわかってきています。
主な症状
いびき
非常に大きないびきをかくことが多いです。
日中の眠気
十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じることがあります。
朝の頭痛
呼吸が止まることで酸素不足になり、朝に頭痛が起こることがあります。
集中力の低下
慢性的な睡眠不足により、集中力や記憶力が低下することがあります。
原因
次の2つに分類されます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群（OSA）
気道が物理的に閉塞されることで呼吸が止まります。肥満、喉の筋肉の緩み、扁桃腺肥大などが原因です。
中枢性睡眠時無呼吸症候群（CSA）
脳から呼吸を司る指令がうまく送られないことで呼吸が止まります。脳の疾患や薬の影響が原因です。
合併症
SASを治療せずに放置すると、以下のような合併症が起こりやすくなります。
- 高血圧
- 心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患
- 糖尿病
- うつ病や不安障害などの精神疾患
診断と治療
SASの診断には、睡眠時の呼吸状態を記録する睡眠ポリグラフ検査が用いられます。自宅で行う簡易検査や、専門の睡眠外来での精密検査があります。
治療方法としては、以下のようなものがあります。
生活習慣の改善
体重減少や飲酒の制限、禁煙など。
CPAP療法（持続陽圧呼吸療法）
就寝時に鼻や口に装着するマスクを使用して、気道を開くために空気を送り込む方法です。
外科手術
重症の場合、気道を広げるための手術が必要になることがあります。
終わりに
SASは日常生活に大きな影響を与え、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。しかし、適切な診断と治療を受けることで、多くの場合、症状を改善することができます。
お心当たりのある方は、早めに医師にご相談ください。
