AIシステムの併用による胃カメラ検査について

昨日、患者様から次のような質問をいただきました。

  1. 「経口内視鏡と経鼻内視鏡では画質に違いがあると聞きました。口から入れる方がスコープが太い分、画像が鮮明で綺麗だと聞きましたが、どちらがおすすめでしょうか?」
  2. 「AI搭載の内視鏡があると聞きましたが、AIは人間の目よりも正確なのでしょうか?」
  1. 経鼻内視鏡と経口内視鏡の画質について

経口内視鏡はスコープが太く画質は鮮明です。しかし、胃がんや食道がんの早期発見を目的としたスクリーニング検査においては、経鼻内視鏡で十分に観察可能です。当院では、画像強調システム(LCIやBLI)を搭載した経鼻内視鏡を使用しています。これにより、検査の精度は向上し嚥下反射も少なく患者さまの負担も軽減されます。

また、経鼻内視鏡によるがん発見率は経口内視鏡と比べても遜色なく、むしろ優れているとの文献もあります【Haruma K.et al. Endosc Int Open 2022】。特にLCIといった画像強調技術を併用することで、病変の表面構造や色の違いを明瞭にし、より早期のがん発見が可能になります。経鼻内視鏡により嚥下反射が少なかったことがより正確な観察につながった可能性もあると文献では考察されています。

2. AIシステムの役割について

AI搭載内視鏡は、医師の目をサポートする補助システムとして非常に有用です。当院の内視鏡にもAIシステム「CAD-EYE」が搭載されており、特に胃がんや食道がんの検出を支援します。しかし、AIはあくまで補助ツールであり、医師の経験や技術に代わるものではありません。小さな病変や平坦な病変など、人の目でも見逃しやすいものをサポートするため、AIと画像強調システムの組み合わせが重要です。


当院では、最新の高出力4LED光源(FUJIFILM ELUXEO EP-8000, 2024年6月発売)を用いBLI/LCI技術とAIシステム「CAD-EYE」を併用することで、より精密な検査を提供しています。胃の不調が気になる方は、負担の少ない経鼻内視鏡(胃カメラ)を用いた検査をご検討下さい。

早期発見・早期治療が、がん治療に最も重要です。

朝のランニング中に撮った写真です。秋桜、まだまだ暑いですが秋は来てますね。。